■ここまで来るのに2年掛かったんですね
2013年に実測値の好評を求められて以来約2年。
ようやく各社の実行速度が公表になりました。
今回は、その件についてお話ししたいと思います。
■これまではどうだった?
これまでの速度表示は『ベストエフォート表示』で、理論上の最高スピードで表現していました。
丁度、楽天モバイルで分かりやすい説明があったので、紹介します。
*画像はクリックで拡大できます。
このように理論的には225Mbps出るけれど、実際にはそのスピードが出ることを保証していません。
こんな曖昧なものなのに、なぜこの指標でいつも表現していたのか?
それは、測定時間、場所、器具で速度が大幅に変わるから。
全国で考えて見ると、実質の速度を表現したくても、どこの話でしたらいいのか、分からないって現実もあったんです。
でもそれだと、嘘ではないですが、実際には出ない理論上の数字をうたい続けていくことになります。
それは不当な表示だと国が判断し、実際の速度を表示するように求めたのが2013年。
去年や今年の年始にようやく結果が、公表になりました。
■実際には70Mbps程度が平均だった(ドコモの場合)
こちらはドコモがHPで公表している『実行速度集計表』です。
左のグラフは見慣れない人も多いので、右の表を見てみると分かりやすいと思います。
このデータで言うと、平均して『72Mbps』程度の速度が出ていると読み取れます。
この速度を測定したのは全国10都市。
秋田市・東京23区・さいたま市・富山市・大阪市・京都市・堺市・松山市・北九州市・大分市。
そして測定期間は2015年10月~2015年12月。
ドコモで取り扱っているiphoneとAndroid機を使い、測定をした結果になります。
ちなみに全国の測定結果は、こちらのサイトで確認が出来ます。
画像をクリックでドコモのサイトに飛びますので、お近くの測定値の結果をご覧になってみるのも良いと思います。
ちなみに全ての測定結果の集計があるPDFファイルも公表されています。
それがこちら。
Androidの場合
https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/support/area/effective_speed/android.pdf
iphoneの場合
https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/support/area/effective_speed/ios.pdf
サンプル数が各都市バラバラな為、ちょっと頼りない結果な感じも受けますが、まあそこは追求しないでおきましょう。
■auが遅いはもう過去の話?(auの場合)
最大値はドコモに負けましたが、ほぼほぼ同じ数字になっているのがauの出した結果です。
以前、auの速度は実際には全く出ていないとして、問題になったことがありましたが、今は改善をしているようです。
auの測定場所は札幌市・前橋市・さいたま市・東京23区・静岡市・大阪市・堺市・岡山市・鳥取市・宮崎市の10都市。
こちらも同じく各都市ごとのデータを見ることが可能です。
*画像をクリックで確認サイトにジャンプします。
まとめたPDFのようなものは見つからなかったので、ご自分のお住いの地域などで検索をしてみて確認してみてください。
■2社に比べて若干遅いのか?(ソフトバンクの場合)
http://cdn.softbank.jp/mobile/set/common/pdf/network/explanation/speed-survey/speed-survey.pdf
先出の2社に比べ、データ上ではスピードが劣る結果が出たのが、ソフトバンク。
実際に使っている人の声も同様にソフトバンク(以降SB)が遅いという判断が多かったため、これが実証された形になりました。
それでも中央値(平均的な速度)では50Mbps以上が下りで出ているため、実際に使っていて大きな支障はないはず。
ネットなどを見るだけなら、5Mbpsもあれば普通に動くので、仕事などで大きなデータをやりとりしない限り、一般的な使い方では他社との違いはわからないでしょう。
▪️実際には誤差の範囲の違い?!
3社の違いを見てもらいました。
集計の結果だけをみると、やはりドコモは強く、SBは弱い・・・
そんな図式になっています。
しかし、個人的な意見を言うと、この結果も完全に誤差の範囲なのかな?って感じました。
分かりやすくドコモの東京での測定結果をピックアップしてみます。
特に注目してもらいたいのが、大田区丸子2丁目付近のデータ。
もっと分かりやすく言うと、最もスピードが出ていない9Mbpsって結果を出したところです。
この結果は明らかに遅く、測定者も不信に思ったのでしょうね。
もう一度測定したのでしょう。
同じ地域で同じ時間帯で測定をしています。
その結果は46Mbps。
先ほどと比べ5倍の速度になっています。
この結果から分かるに、この測定結果のデータは振れ幅がかなり広いということです。
速度はそのエリアで同時接続している人数の割合で変わってきます。
単純に多くの人が接続していれば遅くなり、少なければ早くなります。
この測定結果は、測定した一瞬のデータを集めたもの。
なので、振れ幅が広くなって当たり前なんです。
ですので、3社が出した結果は、申し訳ありませんが信頼性が薄いデータの集合体でしか無いように思えます・・・
▪️それ以上の違和感は、『やけに早くない?』
しかし、それ以上に私以外にも皆さんが感じているでしょうが、この結果・・・
『やけに早くない?』
って思いませんでしたか?
私も以前はau,SBと使ってきていましたし、実際に相方さんはauを使っています。
しかし、この位の数字になることってそんなになく、測定をしてみると5Mbps〜20Mbps程度が主な結果になっています。
稀に100Mbpsなんて数字もありましたが、それは誰も使っていないような深夜の時間帯だったりします。
と言うことは、こんなこと疑ってもきりがないですが、この測定方法に問題があるんじゃないかと思いました。
単純に混み合う時間帯はなるべく避け、電波強度が良いところに立ち、そして測定を行った・・・
その結果がこの結果に見えてしかたありません・・・・
結局は自社で行うと悪い結果は出せないために、こう言ったことになるのではないでしょうか?
実際のデータを出したいのなら、公正な第3者機関に依頼するしかないんでしょうね^^;
▪️まとめ
今回は色々文句を言っていましたが、本心はよくやってくれた!って思っています。
150だの200だのと言った、100%再現不可能な理論数字でこれまで語られてきましたが、一部不満はあるものの、実測した数字の公表があった。
携帯というものが一般的に普及されて、もう20年近く経ちますが、ようやく重い腰が上がったなと、よくやってくれた!って思います。
これと似た様なデータで『車の燃費表示』がありますよね。
以前に比べデータは改善されたようですが、それでもあの数字で走れている車を私は聞いたことがありません。
車の大手もこういった実際のデータを出したら信頼してもらえるんじゃないかな〜って思います。
日本の主婦1000人が実際に1ヶ月使った結果とか、外回りの営業さんが使った結果とか・・・
まあ、基準が難しいでしょうし、大変だとは思います^^;
こういった形でどんどん情報が外に出ることで、より選択肢が広まり、良い買い物が出来る、頑張っている会社が報われる、そんな世の中になっていってもらいたいと思います。
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